貴金属と裏窓そして望遠鏡の後悔

仕事がら色々な事から美術館や博物館の招待券が手にはいる。

今回、招待券を頂いて鑑賞することになったのは、京都近代美術館でおこなわれていたこちら

「技を極める―ヴァン クリーフ&アーペルハイジュエリーと日本の工芸」

フランスの宝石ジュエリーの高級ブランド、ヴァン クリーフ&アーペルの作品と日本の伝統工芸作品の数々の饗宴!

表題の日本の工芸という部分は、引かれるものがあったが、正直、見る前は貴金属に興味が薄く、失礼ながら退屈なものになるのではと、思っていた…。

しかし、それは、展示会場に入ってみて覆されることになる。


※イメージ画像

ジュエリーの世界に引き込まれ、全てが最高に面白かった。

でも、ヴァン クリーフ&アーペルを知らなかった。

恥かしながら。

女性なら誰もが憧れるフランスの貴金属アイテムのブランドらしいんだ、

男なら恋する女性にそれをプレゼントすることを目指すモノらしい。

知りませんでした。

そりゃ、モテないはずだよね。

それは、置いといて。(^_^;)


※イメージ画像

宝石を使った、ネックレスからブレスレッド、イヤリング、ブローチ、クリップ、シガレットケース等々

全くレベルの違いうものだと、ジュエリーに疎い自分でもわかった。

凄いよ!

陳腐な表現しかできないが、

凄い。

勿論、価格などは書いていないが、一点モノのそのアイテムの数々は、その価値は想像をはるか超えるものだろう。

一点一点の作品すばらしさに感嘆したよ。

そして、

モナコ公室御用達ブランドでもある。

ということは、

グレース・ケリー”だ!

第一展示場で、見た、四つ葉のクローバーをモチーフとした「アルハンブラ」

グレース・ケリーが愛用されたというそれを見て、

ああ、ぴったりだなって思った。

何を偉そうにと思われるだろうが、

グレースなら本当に似合うだろうと思ったんだ。

僕が最高に綺麗だと思うグレースの作品は勿論

僕的には、

ヒッチコック監督の「裏窓」だ。

いわゆる、のぞきの映画だよね。

あらすじは、

事故で足の骨を折って車いすに乗った主人公の男が部屋で暇を持て余していた所、手にした双眼鏡で窓から人々の営みをのぞくんだよね。

そこで、殺人を見てしまって…。という内容。

映画でジェームズ・スチューアート演じる主人公は、恋人でヒロインのグレース・ケリーは結婚したいと考えているのに、彼は今一つ乗り気じゃないんだよね。

子供の時、この映画を見て、そんな事、ありえへんわって思った。

子供の時の私が見ても、グレース・ケリーの美しさはびっくりするほどだったんだ。そんな人との結婚に躊躇するなんて…。

映画は非常に面白い。傑作です。

さすがヒッチコック☝️

そして、この映画が一番グレース・ケリーの美しさを感じることができると思います。僕は。

サスペンス映画には、ブロンドの美女。ってこだわり。そして、映画の内容も普通じゃないし、ある意味、マニアックだねヒッチコックは、素晴らしき犯罪オタクだよ。

そういった人が撮ると、美女がただ美しいだけじゃなくその上のまた上の美しさを引き出して見せてくれるって、面白いよね。

ある意味、変態だ。いや、素晴らしき変態だね。でも、人に迷惑をかけているんじゃなくて、その趣味をうまく昇華させて、多くの人々を喜ばせたり感動させたりしているんだ。

と、ヒッチコックに影響を受けた、数々の有名な映画監督も言ってました。(笑)

同感!

またも、脱線したけど、

ヴァン クリーフ&アーペルのハイジュエリー

それだけ美しいグレース・ケリーの為にある様なものだと思ったんだ。

グレースは、ここまでにしておいて、

美術展会場に戻って。

ジュエリーデザインのモチーフも多種多様で面白かった。

動物、バレリーナ、植物、など

それが、どこまでやるのかと思うぐらいのこだわりがあって、仕上がりもどこまでも精緻。驚くよ!

展示途中にあったミニシアターでは製作職人の分業作業の様子や職人のインタビューでジュエリー職人の製作の様子を知ることが出来た。


手を真っ黒にしながら気が遠くなるほどの作業を行い最高のジュエリーを作る職人のインタビューで伺える力強い受け答えの様子から、最高の物を作っている矜持が強く感じられた。

自分もジャンルは違うけど、伝統工芸技術を生かした高級仏壇・仏具・仏像などの職人が持っている気質と重なる所があると思い、良いものを作る職人たちの国を超えての共通意思があることを感じて嬉しくなった。

今回後半の展示は日本の工芸品(焼き物、漆工芸、蒔絵、螺鈿、木工、彫金、象嵌などの作品)とフランスの工芸品がお互いに影響し合い高めあっていた事が分かる。


宝石を組み合わしてモチーフをしゃれた感じにデフォルメされたハイセンスなヴァン クリーフ&アーペルの貴金属に対し、日本の工芸品の超絶技巧による細かさとリアルな表現は恐ろしく素晴らしく。特に明治の職人の技術のレベルの高さに驚かされた。

最終展示場では、近年活躍中の職人が製作した和洋の融合による双方のコラボレーション的な作品のコントラストが次なるジュエリー&日本の工芸品の未来への可能性を示唆していた様に感じた。

本当に良いものは、きっと残っていくだろうけど、作り手の努力を報いるためには、我々販売者の役割は重要だと思う。いくら良い商品でも、内容をちゃんとエンドユーザー伝えて、理解してもらうということが無ければ、購入してもらうことはどんな商品でも困難だろう。実際、そこの労力は結構大変なんだ。でも、今回、見せていただいたブランド(ヴァン クリーフ&アーペル)は、そこを妥協していないように思う。我々の業界もこうあるべきだと思う。

見終わった後、美術館併設の食堂のテラスからゆばカレーを食べながら平安神宮の鳥居を見ていた時、

ふと、鑑賞中にヒッチコックの裏窓の事を思ったことが蘇った。

それに関連して子供の時の嫌な記憶が思い出されたんだ…。

子供の時の嫌な記憶、ここから⬇️

子供の時に天体観測の望遠鏡を持っていて自分の部屋の窓(二階にあった)から昼間の月を観測していた時に、下からネコの声がしたんで、望遠鏡をのぞいたまま動かして下を見たんだね。

そしたら、たまたま、隣の家のおばさんが洗濯物を干していた。

で、そのおばさんと望遠鏡越しに目が合ってしまったんだ。

時すでにおそし…。

おばさんに「そんなもんでのぞいたらあかんで!」

って言われて。

ごめんなさいとしか言えなかった。

弁解する様な、活発性もなかった僕は、

ただ、ただ、暗い感じで、

「ごめんなさい…。」って

言うしかなかった。

心の中では、これって、何もかもやばい奴って思われてるんやろうなって思った。

そして、さらに、

映画「裏窓」のジェームズ・スチューアート(主人公役)は、僕よりえげつないのぞきをやっていたのに、終始、明るい感じで、しかも、恋人がグレースで(映画の中でね。)

この違いなんやねんって、思いながら暗くあやまっていたことを思い出した。

子供の時の嫌な記憶、ここまで⬆️

今思ったら、自分はのぞきでも何でも無かったのにね。って考えたら

映画「裏窓」での能天気なジェームズ・ステュアート(故人で名優)を思い出してちょっとムカついた。💢

そんな気持ちを引きずりながら、京都を後にした。

上の画像は展示途中でジュエリー工房を再現したコーナーがあって、ここでは撮影可能でした。

決して怒ってませんよ。ちょっと、職人になった気分で撮ってみてん。😄

最後までお付き合いありがとうございました。以下もよろしく!

法輪堂ドットコムのサイト(東大阪市 稲田法輪堂)
http://www.e-horindo.com/

商品画像満載!法輪堂インスタグラム
https://www.instagram.com/inada_horindo/

店主である僕の日常をTwitterでツイート
https://twitter.com/hougu

ついでに店主のインスタグラムもよろしく!
https://www.instagram.com/hourin_masa/

最新情報をチェックしよう!