「蒔絵」と聞いて、どんなものが浮かびましたか?
最近は、転写などによるものも「蒔絵」といったりしていますが、
漆器の表面に漆で文様を描き、漆が乾かないうちに金銀粉を蒔き付ける
日本独自の装飾技法を、「蒔絵」といいます。
粉の種類からは、消粉蒔絵・平極蒔絵・本蒔絵(丸粉蒔絵)に分類され、
工程の上からは、平蒔絵・研出蒔絵・高蒔絵に分類されます。
蒔絵に使われる金粉です。

金粉の一部ですが、粗さなどの違いがあるのがわかります。

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これは、蒔絵のバリエーション です。
どれも、蒔絵の商品として製品となるものです。
右から左にいく程、 蒔絵の工程を多く重ねられています。
一番左が、一番多く工程を重ねられた蒔絵です。
完成とするには、2、3工程で出来る簡単なものから
何十工程もかけて仕上げとする方法まであり、
手間をかけて良いものを作ろうと思えば、どこまでもできるというのです。
蒔絵入りの過去帳です。

金粉も数種類使い分けられ、色も入り
蝶貝や鮑貝の螺鈿も入っているのがわかります。
文様のすべてが、漆に金属粉を沈めたり
炭を蒔きつけられ盛り上がっています。
蒔絵師がおっしゃった言葉です。
「自然の漆を接着剤、塗料、絵具として用い、
金粉や銀粉を数百種類も使って繊細な表現をする
蒔絵は、有機質と無機質という相反する性質のものが
融合する日本独自な技法です。それが荘厳具というにふさわしく
重厚感などを感じさせる融合した素晴らしいものです。
そのことを大事にしていきたいし広めたいと思っています。」
蒔絵入りの仏具の在庫確認の
お問い合わせをお客様より頂くのですが、
大量生産ができるものではなく
漆の乾き具合が重要でお日にちがかかるため
仕上がりまでお待ち頂くこととなります。
ご注文頂いた一品一品
すべて手作業で、丹精込めて製作されます。
ご理解頂けますようお願いします。
法輪堂ドットコムの蒔絵のレポートは、こちら
「京都蒔絵師工房訪問記」
「京都国立博物館 japan蒔絵」観覧日記
京仏具とは
https://www.e-horindo.com/info/horincontents/mindful/kyoubutugupost.html
漆塗りの ‘立塗’と、研磨する’呂色仕上げ’
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香木ができるまで
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人工栽培された香木
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漆とカシュー塗料
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11月13日は、漆の日
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