– 京仏師による仏像とは –
(9) 京仏師の仏像の仕上がり

仏像は、見えていない部分に何をしているかで違いが出る
仏像のみの塗りは3段階を経て、塗り・箔の加飾を施されます。
そこから冨田仏師は、もう一度、刃を入れ直しをされるそうです。
最初に彫られた上に、漆・彩色・箔がのりお顔などの表情が厚ぼったくなります。
刃を入れ直しをされることにより、漆などの加飾であり元の表情が蘇えります。
下地の後にも刃を入れる
冨田仏師は、下地の後にも再度刃を入れられます。
下地が出来上がった後に
目頭・目尻、そして色の入っている部分を
刃入れをして開けてあげると。

左側が、塗りあがった仏像
右側が、上から刃を入れられた後の仏像
いかがでしょうか。
同じ顔がこの様なお顔の違いが出ます。
「元の木を削ってしまうのが怖い。」とおっしゃいますが
綺麗な仕上がりのために慎重に刃入れをされます。
塗りだけで完成させず、さらに上から最初の彫りに近づけるよう
刃入れの工程を加えて仕上げられます。
彩色の仏像はなぜかお顔が厚ぼったい・・・その謎が解決しました。
漆が国産で、加飾の上から刃を入れ直しされていると、
彩色の仏像でも厚ぼったさを感じない仏像が仕上がるのだと思います。
材料を国産の良いものを使い、工程を多く手間をかけて仕上げられると
彩色仕上げの仏像も繊細な彫りが残ったままで仕上がります。
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仏師仏像は、毎回見積もり後の受注製作となります。