お寺・神社・博物館・美術館にて【法輪堂の拝観日記】

【京都】東寺 小子房 レポート

東寺 小子房 門 正面から
【京都】東寺 小子房(しょうしぼう)
2007年

・堂本印象筆障壁画
・「鷲の間」「牡丹の間」「瓜の間」「枇杷の間」「雛鶏の間」「勅使の間」
・七代目小川治兵衛作庭園
・庭の奥に国宝蓮華門

毎年正月(8日から14日)に勤修される
後七日御修法(ごしちにちみしほ)にかかせぬ東寺小子房に
光彩をそえるものはその襖絵で、

近代美術界の彗星・堂本印象画伯の筆による
四十三歳の時の作品です。

「鷲の間」「牡丹の間」「瓜の間」「枇杷の間」「雛鶏の間」と水墨の華を咲かせ、
最奥の「勅使の間」では金箔地に目を奪う極彩色で「渓流に鶴」等が描かれ
今までの水墨の世界から極彩色のマンダラの世界へいざなってくれるようです。

東寺 小子房 斜め横から見える門

この様に六つの独立した部屋が、一つの世界を創り出しています。
それはあたかも空海が唐から持ち帰られた曼荼羅図のごとく、
一つの宇宙を表しているようです。

池を配した庭は、平安神宮の神苑などを手がけた
七代目小川治兵衛(じへい)がつくりあげたものです。

「芸術の旅は優れた旅、最も楽しい旅であると同時に計り知れぬ思索と苦悩を背おわされて、美の跫音をすぐ背後に聴きつつ故郷に帰る旅でもある。」 堂本印象画伯の言葉

牡丹の間

瓜の間

初夏に実る“西瓜”。

枇杷の間

初夏から盛夏へと建物の襖絵で部屋を変わり通して見てみると
四季を表現されています。
木の枝にはツバメが停まっておりそのツバメの目線の向きは
次の部屋の方向へと飛び立とうとしています。

鷲の間

正面玄関から入って最初に入る部屋です。
真正面には雄の鷲がこちらに睨みを利かせて見ています。
そして今まさに飛び立とうとしています。

歓迎ではなく、どういった人間が訪れたのかという目を向けています。
訪れた人の心を厳しく見つめられ、訪れた人の緊張感をもたせます。
左側には雌の鷲が降り立った状態です。
雄と雌、飛び立つ姿と降り立つ姿で強弱を表現されています。

雛鶏の間

小柄の鶏が雛鶏とともに描かれているという事で少し緊張がほぐされます。
天井は小組格天井となっています。

勅使の間

天井は折上小組格天井(おりあげこぐみごうてんじょう)となっています。
壁から天井へと丸みをもたせたつくりとなっています。

天皇陛下のお座りになる一段上がった玉座部分と、
謁見を許された人の座る場所は大体5:1ぐらいの大きさです。
天皇陛下が謁見に訪れた人の方向に目を向けられると見えるのが立派な鶴の絵となり
謁見の人が天皇陛下の方向を向かれると目に入るのは華やかな色付けの鶴に比べて
大変静かな絵となっています。

天皇陛下のお座りになる左側の襖絵が[日輪山嶽図]。
堂本印象画伯が留学の時に目にした西洋美術の影響でしょうか。
少し抽象的な色付けとなっています。
稲荷山の方向に日の出を拝む絵となっています。

蓮華門(国宝)

(2007年撮影)

弘法大師が高野山に向けて出立した時、
見送りに行った“不動明王”の足跡から蓮華が現れたという伝説からこの名が付いたとされています。

東寺 小子房 訪れて

ご案内・説明して下さる方がいらっしゃたのでとても興味深く楽しく過ごさせて頂きました。
部屋ごとにそのお部屋の意味合いにあわせた絵が描かれているばかりか、建物として通して見てみると四季が描かれていたり、何も描かれていない襖の様でいて描かれていない事に意味合いを持たせてあるなど、何事も奥深いものだと感心しました。

蓮華門の名付けられた伝説は、観音様の蓮のお話を思い浮かべました。
水墨画も素晴らしく拝見しましたが、次の部屋へと足を運ぶと一気に色付き金色が華やかさに少し小さな歓声が上がりました。

空海が唐から持ち帰ったとされる東寺の密教法具(国宝)は、現在もこの後七日御修法(ごしちにちみしほ)という法会において実際に用いられているそうですが、その法会にかかせぬのがこちら東寺小子房だそうです。

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