お寺・神社・博物館・美術館にて【法輪堂の拝観日記】

【奈良】薬師寺 拝観日記

唐招提寺の後、
長年いつか行きたいと思っていた薬師寺
とうとう行くことができました。

薬師寺は、680年に天武天皇が
皇后(後の持統天皇)の病気平癒を祈り、
発願したことに始まります。

薬師寺

念願の薬師寺 金堂の薬師三尊像。

しかし、それのみならず個人的に
大変興味深いことが詰まっている
内容の拝観になりました。

薬師寺

「中門」から入って、金堂を真正面にみるために
外側 後ろ側から時計回りで、
ぐるりと前に回る順路で進みます。

ですので、横側のこちら「東院堂」から拝観が始まります。

東院堂 (国宝)

薬師寺 東院堂

天明天皇の菩提を弔うために
奈良時代に建立されました。

聖観世音菩薩像 (国宝)
四天王像

中門・回廊

薬師寺 中門・回廊

左右には、金と緑と白系統の
彩色を施された「二天王像」がおられます。

「中門」の奥には、左右に「西塔」「東塔」が見えます。

東塔 (国宝)

薬師寺 東塔

薬師寺で唯一創建当時より現存している建物
釈迦苦行像・四天王像
外からの中を覗くように観せて頂くのですが、
天井絵などが見えます。

西塔で聞かせて頂いた説明によると
「東塔」では、お釈迦さまが悟りを得られるまでが
あらわされているそうです。

西塔

薬師寺 西塔

釈迦成道像・初転法輪像・釈迦涅槃像・弥勒如来像

東塔は悟られるまで 西塔は悟られた後

幸運にも、塔内を説明されているのを
聞かせていただくことができました。

「東塔」では、
お釈迦さまが苦行をされている
悟られるまでをあらわしていて
「西塔」では、
悟られたその後をあらわされています。
ですので、
真正面が弥勒菩薩がおられるのだそうです。

弥勒菩薩は、釈迦の入滅から56億7000万年後に
如来となって衆生を救うといわれ、未来仏と呼ばれています。

塔内は時計回り

塔内は、
時計回りに観せて頂くには意味があるそうです。

インドでは、右手は「浄」、左手は「不浄」のものとされています。

時計回りに歩くと、
仏さまに対して「浄」の綺麗な方を常に近づけていることになるからです。
深いところに、仏舎利を納められているのだそうです。

金堂

薬師寺 金堂

薬師三尊像(国宝)・ 薬師如来台座(国宝)

本尊の薬師如来を中心に、向かって右の脇侍が
向かって右の脇侍が日光菩薩、左が月光菩薩。

まず驚いたことが、2点。

1つは、
薬師如来が薬壺を持っておられないということ。

2つは、
薬師如来の台座は四角形ですが、
四方に四神が配してあるということ。

四面に、
玄武(北)・青龍(東)・白虎(西)・朱雀(南)と
インドな裸形の力神や、ペルシャ風蓮華文、
上框のギリシャ風葡萄唐草文様が浮彫であらわされています。

仏さまを見上げていると、目に入ってくるのが
天井や天蓋の彩色の美しさ。

垂れ下がる部分も彩色を施されていて
光背の金色が大変栄えて綺麗です。

大講堂

薬師寺 大講堂

学僧に経典の講義を行なう建物です。

弥勒三尊像 (重要文化財)

仏足石・仏足跡歌碑 (国宝)
釈迦十大弟子

本尊 弥勒如来を中心に
向かって右に法苑林菩薩、左に大妙相菩薩

ぐるりと後ろ側には
十代弟子がずらりと並んでおられます。
その間に仏足石・仏足跡歌碑もあります。弥勒菩薩が居られ、十代弟子が居られるという
堂内というのが、個人的にツボで感動しました。

十大弟子像は、
制作年が2003年という最近ですが
大変リアルなものを感じる像でした。

仏足石」は、わが国に現存する最古のものです。

薬師寺 蓮

「大講堂」から外に出た所に
蓮を植えられた鉢がずらりと並んでいました。

不動堂

薬師寺 不動堂

少し離れた場所に、「不動堂」がありました。

閉まった戸のガラス越しにみせて頂きました。

人の気配のなくひっそりとしている場所でしたが、
お不動さまの姿を確認できた途端
「ぎょっ」として一歩ひいてしまう位に
迫力のあるお姿の不動明王さまでした。

薬師寺 蓮

薄墨桜

薬師寺 薄墨桜

玄奘三蔵院

薬師寺 玄奘三蔵院

薬師寺は、玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)の
教えを継承している法相宗です。

玄奘三蔵は、中国唐代の僧で
『西遊記』でインドに行き経典を持ち帰る
三蔵法師のモデルとして知られています。

「三蔵」とは、

・経(仏の教え)

・律(仏の定めた戒律)

・論(経の注釈書)のことです。

法相宗の始祖である玄奘三蔵の
遺骨の一部を安置するために
1991年に建立されました。

玄奘三蔵像は、左手に鮮やかな
彩色された経巻をお持ちです。

玄奘三蔵院の鮮やかな彩色と経巻の彩色が
マッチしていて目に飛び込んできて釘付けになりました。

大唐西域壁画

新聞などでよく目にしていた平山郁夫画伯の
玄奘三蔵求法の旅をたどる「大唐西域壁画」。

ホールのような場所 三方向に壁画があり、
天井にも、ラピスラズリをつかって
空が描かれていてガラス越しに見せて頂きます。

誰も入らない空間を、ぐるりと取り囲んでいる
壁画をみせて頂くということもあり
シルクロード・砂漠・夜空を感じ、幻想的でした。

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