お寺・神社・博物館・美術館にて【法輪堂の拝観日記】

【奈良】東大寺 法華堂(仏像16体での見納め)へ

仏像16体だった時の“東大寺 法華堂”
2010年

仏像16体の法華堂

須弥壇の傷みが進んだため修理が行われることになり仏像はすべて降ろされ、本尊などは奈良国立博物館内の修理所に運ばれるのだそうです。

東大寺総合文化センターに安置される仏像もあり現在の16体が法華堂でまつられているのは、5月17日で最後となるのだそうです。

※この記事は2010年3月のものです。

法華堂

“法華堂”は、
不空羂索観音を本尊として祀るための堂で
東大寺建築の中で最も古く
天平12年(740)から19年までの創建
と考えられる国宝建造物です。
〔乾漆造〕
不空羂索観音像
梵天像
帝釈天像
金剛力士像(吽形)
金剛力士像(阿形)
持国天像(四天王)
増長天像(四天王)
広目天像(四天王)
多聞天像(四天王)

〔塑造〕
執金剛神像(秘仏)
(伝)日光菩薩像
(伝)月光菩薩像
吉祥天像
弁財天像

〔木造〕
地蔵菩薩像
不動明王像
安置されている仏像は16体で、そのうち12体が国宝、4体が重要文化財に指定されています。14体が東大寺創建当初からのものだそうです。不空羂索観音を中心にして、一種の“立体曼荼羅”を構成しています。

不空羂索観音像

ご本尊“不空羂索観音像”は 額に縦に三眼(天眼)、合掌した手の背後に6本の腕の“三目八臂”の姿。衆生の悩みを救済するという意の“羂索”。宝玉をちりばめた“銀製の宝冠”を被っておられます。

“不空羂観音”は、原始的な密教思想の中で「鹿皮(ろくひ)をまとい、手に執る羂索(網)ですべての人々を救済する」と説かれています。

執金剛神像(秘仏)

“執金剛神像(秘仏)”は、手に金剛杵を執ることからその名がつきました。

“不空羂索観音”の守護神とされることから、法華堂でも本尊と背中合わせの状態で厨子にまつられています。

仁王像は、この立像を原型とされています。

法華堂 正堂

法華堂の入り口から礼堂を通り正堂へと一歩を踏み込むと、その空間は仏様の世界の静かな空気が流れていました。というよりも、見上げて眼にする仏様たちが、正堂のほとんどの面積にギッシリと居られるので、迫力で圧倒されました。

須弥壇の中央に、像高362,0cmの金色に輝く“不空羂索観音立像”。壇の上のもう一つ高くなった所の上に立っておられます。左右に、“帝釈天像”(403,0cm)と“梵天像”(402,0cm)。前列左右に、“増長天”・“金剛力士(阿形)”・“金剛力士(吽形)”・“持国天”が300cmほどで、一列に並んでおられるのです。

拝礼する場所は細長で、太い柱も通っており他の参拝の方と譲りながらという感じで参拝しました。ご本尊に向かって左側から見せて頂いていた時、ふと右側前方を見ると、“金剛力士(吽形)”に睨まれている視線とバッチリ合ったことを切っ掛けに睨みは怖かったですが緊張が解けました。

よく見ると“截金・彩色”が少し残っておりこんなに大きな像で、しかも大変彫りの良く素晴らしい仏像の数々でした。須弥壇の前で左側から、右側からと1体1体を見える場所に移動しながら確認してじっくり見せて頂きました。

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そうこうしていると、法華堂の方の説明が始まりました。

不空羂索観音立像 水晶の宝珠

拝礼場所の中央部分で「この範囲ですよ。」とおっしゃり、腰をかがめて不空羂索観音立像を見上げられ始めました。その話の輪に参加させて頂いたところ、“不空羂索観音立像”が合掌されています手と手の合わせておられる隙間を視線を移動させていくと、“キラッ”と輝く瞬間があるのです。

それは、水晶の宝珠を持っておられるのでそれが見えるのだそうです。ただ、中央部分で不自然な姿勢とならないと見えませんし、見えるのはほんの一瞬です。しかし、確実に水晶の宝珠が手の中にあることを確認することができました。

不空羂索観音立像の“宝冠”

“不空羂索観音立像”の宝冠は、水晶など2万個以上の玉で飾った宝冠なのだそうですが肉眼ではよくわかりませんでした。それだけ大きい像であり、747年ごろの制作されたお仏像を感じるものなのだろうと思いました。

どのような修理がされるのか、修理された後はどちらでどのようにまつられるのか気になるところです。

法華堂の停止期間は、
平成22年5月18日から7月31日だそうです。
法華堂の須弥壇もどのようになるのかも興味深いところです。

16体がまつられている今の法華堂を拝観できて幸せでした。

※お出かけの際は、念のため日時をご確認ください。

東大寺 - 華厳宗大本山

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