永観堂で、「日想観」の説明がありましたのでご紹介します。
【永観堂 多宝塔 前にて】
日想観
『観無量寿経』に説かれる十六の観法の最初
に、日没の方向に極楽浄土を想定して、浄土
に生まれることを願う「日想観」があります。
浄土宗の高祖、善導大師は、太陽が真西に
沈む、春分・秋分の日にこの日想観を勧め
られたのです。法然上人も色々な処で日
想観を実践されました。
私達は、揺るぎない信念を持ち、佛の眼を
持ってこの世を生き抜くことを求められま
す。そして揺るぎない信心を持つことがま
さに仏さまの光明慈悲に触れることです。山
の彼方に、大海原のはるか水平線や、そし
て広大な荒野の地平線に沈んでいく日輪を
観て西方にある「浄土」(方処識知)を思い、
黒雲に遮られぬ日輪を観て自分自身の「罪
障」(業障識知)に気付くこと、これを佛さま
の「光明」(光明識知)を想起する手段とする
のです。
心を凝らして日輪を眺めて、亡き人の浄土
往生に思いを馳せ、後生お浄土へ生まれるだ
けではなく、この娑婆世界に生きる私の縁
に気付いて、この世でも浄土の生活を心がけ
るのです。即ち、先立たれたお方に思いを寄
せ、そして、亡き人に自分のしたことを反省し、
その亡き人の生前の徳を思うことに他なら
ないのです。今一度自分の「いのち」を問い直し
てみたいものです。
京都永観堂禅林寺HP…