国立民族学博物館に行くと、
特別展が
特別展『驚異と怪異 想像界の生きものたち』
この世のキワにいる、かもしれない・・・2019年8月29日(木)~ 11月26日(火)
国立民族学博物館 特別展示館
動物界、植物界、鉱物界、そして想像界
なぜ人類は、この世のキワにいるかも
・・しれない不思議な生きものを思い描き、
形にしてきたのか?奇妙で怪しい、不気味だけどかわいい、
世界の霊獣・幻獣・怪獣が大集合!現代のアーティスト・漫画家・
ゲームデザイナーたちによる
クリーチャー制作も紹介し、妖怪やモンスターの源泉にある
想像と創造の力を探ります。
「何だか怖いのは困るな」と思いながら
まずはこの特別展の会場に入りました。
世界各地の人びとの想像の中に息づく生きものが展示
想像の中に息づく生きものとは…???
人は、「あり得ない」生物や生理現象、物理現象(異常な音、光、モノの動き)にまれに出会ったとき、驚き・怪み・不思議・不気味を感じます。
このフレーズで
興味が一気にわいてきました。
理解できない現象の原因を説明するために、霊、神/カミ、悪魔、妖怪などの、見えない力の存在を想定する精神メカニズムをも備えています。しかし、人間の脳には限界があり、直接感知できない存在の姿は、知っている部品をなんとか駆使してイメージを思い描くしかありません。そこには、文化人類学者イヴィ=ストロースのいう「ブリコラージュ」(寄せ集め)の思考が見てとれます。
想像できないものは、
「知っている部品」で思い描いているのか。
これから目の前に広がる展示に
もう期待大となりました。
展示の撮影は、2ヶ所のみということでした。
想像界の生物相
水に潜み、天を羽ばたき、地を巡る、想像界の生物多様性を探求しよう
水
- 人魚(ジュゴン)
- 龍
- 水怪(河童)
龍舞の金龍
国・地域:中国
民族:漢
2003年製作
天
- 霊鳥・怪鳥・鳥人(鳳凰)
- 天象(天狗)
- 天馬
使者の魂を異界に運んだり、天界のメッセージを人の言葉で地上に伝えたりする天の使いは、鳥人として描かれることもある。
天馬
英雄、王、預言者、神など超人的な行いを助ける存在として想像されてきた。
地
- 巨人
- 有角人
- 変身獣(狼男)
- 霊獣・怪獣(獅子・麒麟)
- 蟲
- 人間植物
驚異の部屋の奥へ
- 幻獣
想像界の変相
未知なる世界の驚異や、常ならざる怪異は、どのように認識され、知識体系に整理され、創作のインスピレーションとなってきたのだろう?驚異と怪異の文化史をたどる。
聞く
音は活性化し、想像力を刺激する。
神/カミ、精霊といった見えない力に人間に働きかける際には、音は重要な役割を果たしている。
見る
驚異や怪異は絵に描かれた。
描いて「見せる」ことは、二次的な目撃者を作り出すという行為に等しい。
知る
博物学的な知識の一部として伝えられた。
しかし近代に入ると、科学的に証明できない生きものたちは、博物誌からは消えてゆく。
創る
アート、マンガゲームの世界における現代の幻獣表象に注目。
これからの人類の想像力と想像力について考えさせる。
最後に登場したのが、
「ファイナルファンタジーXV」。
モンスターは、
生息する生きものとして設定。
実在の生物を参考に、生態や体長、
骨格、筋肉の動きまで詳細にデザインされている。
想像の生きものと特に区別せず
知っている生きものが
絵や造形されたものなどで
たくさん登場しました。
不思議なことに、
遠く離れた国であっても
同じような形で存在しているということ。
そして民族の行事などに登場していること。
気になったことが、「知る」という項目で
「科学的に証明できない生きものたち」という言葉。
不思議な存在かもしれないけれど、
こうして特別展で集めてもらったものにふれることで
頭ではなく、目ではなく
体全体で感じて受けるものは
大事なものじゃないかなと思いました。
展示の写真は1点のみとなったので
本館の展示からも
特別展の会場の雰囲気を感じていただける
と思うのでご覧いただけたらと思います。
⇒ 『交感する神と人―ヒンドゥー神像の世界』レポート
⇒ 『驚異と怪異 想像界の生きものたち』レポート
⇒ 国立民族学博物館 レポート
⇒ 『聖地巡礼展』を拝観レポート
大阪吹田市にある国立民族学博物館に行って来ました。 国立民俗博物館(みんぱく)は、文化人類学・民俗学の研究活動と、その成果を展示公開する博物館活動を一体的におこなう博物館をもった研究所です。 本館における展示[…]
⇒ 稲田法輪堂
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