お寺・神社・博物館・美術館にて【法輪堂の拝観日記】

なら仏像館開幕記念 特別展「至宝の仏像 東大寺法華堂金剛力士像特別公開」

至宝の仏像
東大寺法華堂金剛力士像特別公開

2010年7月21日(火)~9月26日(日)
奈良国立博物館 なら仏像館(本館)

なら仏像館開幕記念

重要文化財「旧帝国奈良博物館本館」は、
「なら仏像館」の名で生まれ変わりました。

なら仏像館開幕記念 特別展
「至宝の仏像 東大寺法華堂金剛力士像特別公開」
(2010年7月21日~9月26日)に行ってきました。

東大寺法華堂の国宝・脱活乾漆金剛力士像をはじめとする名像の数々が展示されました。

なら仏像館開幕記念 特別展 案内板

似ている十一面観音菩薩像

“聖観音菩薩像”“十一面観音菩薩像”など並んでおられる中、どこかで観た覚えのある十一面観音様がいらっしゃいました。

それは
木造十一面観音菩薩立像(重文) 平安時代 新薬師寺
です。

お顔は違いますが、光背の形と光背に描かれている文様や色合いが、室生寺の“国宝 十一面観音菩薩立像 平安時代”に似ているように思いました。室生寺の方が、光背の文様などがしっかりはっきりしているように思います。

しかし、どこにもそのような説明などなかったので違っているかと思い調べてみると、

「木製の板光背を負うことや、銅板切り抜きの宝冠を着けることなど、室生寺金堂の十一面観音像に通ずる。」

と図録に記載がありました。

如来の部屋のちがい

第1室の「観音菩薩」「護法の天部形」に続き第2室「如来」の部屋に入ると、如来ばかりがいらっしゃるからでしょうか今までとは違いとても静かな空気が流れていました。

これは驚きました。視覚によるものではないのです。「さすがは如来ばかりいらっしゃる部屋」と思いましたが、この様な静けさが観るものにも伝わるということだったのでしょうか。

仏像の繊細さ

「仏像修理 100年」の展示を観た後なので余計に強調されて感じたのかもしれませんが、

四天王立像 4軀 鎌倉時代 海住山寺

約36cmの像で細やかな彩色が施され装飾品の金細工(?)も繊細であり動きもあり、“持国”・“増長”・“広目”・“多目天”の順に“緑”・“赤”・“白”・“青”の身色に塗り分けられていますが、

お顔の表情がその色に全く影響を受けないほどにリアルな動きのあるいいお顔をされていてとても印象に残りました。

持物が、綺麗な金色に輝いていましたので最近修理されたのか、塗り貼り直されたのかと思いましたがその新しさがなお繊細なお仏像の良さを引き立てていたように思います。

十二神将と十二支が結合

“十二神将と十二支が結合した”というちょっと変わった像がありました。

木造十二神将立像  6軀 平安時代 東大寺
木造十二神将立像 12軀 鎌倉時代 奈良国立博物館

どの像もポーズが少しユニークで、頭像や腹部に“十二支獣”が居ます。その十二支が、大変愛らしい姿でちょこんと頭の上に座っていたり乗っています。

“十二神将のお姿”と“愛らしい十二支獣”の姿がアンバランスなようで一体となっているのが親しみをもちました。どういう組合せで一体となっているのか調べてみるのも楽しいかなと思いました。

金剛力士立像(国宝) 奈良時代 東大寺法華堂 2軀

法華堂の須弥壇の大きさと同じぐらいのスペースに“阿形”・“吽形”がライトアップされていらっしゃいました。

法華堂で16体いらっしゃった時も約3mの大きさに圧倒されましたが、スペースを大きくとられていると幅の大きさ、動作の大きさを感じ迫力がありました。

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