お寺・神社・博物館・美術館にて【法輪堂の拝観日記】

スタジオジブリが描く乱世。「定家と長明」展

「方丈記」 800年記念
鴨長明『方丈記』と賀茂御祖神社 式年遷宮資料展

「定家と長明」展
スタジオジブリが描く乱世。

2012年10月1日(月)~12月16日(日)
賀茂御祖神社(下鴨神社)

賀茂御祖神社神服殿での『方丈記』800年“鴨長明『方丈記』”と“賀茂御祖神社式年遷宮資料展”の1つスタジオジブリが描く乱世。「定家と長明」展をみてきました。

堀田善衛の『方丈記私記』『定家明記私抄』を原作に、「もしアニメーション映画を作ったら・・・」という設定でスタジオジブリが乱世に生きる鴨長明と藤原の定家を描く展示企画「定家と長明」展。

重要文化財「神服殿」を会場にスタジオジブリが空間プロデュースし、宮崎吾郎監督らによるイメージボード、キャラクター設定、ジブリ美術スタッフによる美術ボードなど約300点におよぶ作品を展示します。

“もしスタジオジブリが堀田善衛作品を映画化したらどうなるか?”の趣旨でつくられたのだそうです。「架空のアニメーション映画企画」? まったく想像することが出来ないまま下鴨神社境内の重要文化財・神服殿の入り口をくぐりました。

神服殿の入り口を入ると

入口を入ると、スタジオジブリの“鈴木敏夫プロデューサー”の『方丈記』冒頭部分の「書」の大きな屏風がありました。

部屋の壁に“御簾”が掛けられた上に“イメージボード”や“キャラクター設定”、“美術ボード”が展示されています。アニメーションではなく平面の“絵”と“文字”だけですが物語は順に進んでいき、最終的には立派にジブリの世界で方丈記が出来上がっていました。

正直、はじめはキャラクター設定であったり説明であったので、このような流れの展示かと思ったのですが、後半に行くほど物語の世界に惹き込まれていきました。ジブリ映像での映画が想像できる。見終わったと同時に、「是非、映画として観たい!」と思いました。遠くに感じていた『方丈記』がグッと近づいたように思え、映画となればもっと興味が深まるように思いました。

『方丈記』

『方丈記』の時代は、
平安時代の末期にあたり源平の争乱、遷都、鎌倉幕府の成立など動乱の時代の上、地震・辻風・大火・飢饉・盗賊の横行など様々な天変地異に人々は苦しめられていました。

鴨長明が、原稿用紙20枚程度の短いエッセイでその時代と人を活写しているのが『方丈記』だそうです。

隆暁法印

ジブリの「定家と長明」の物語の後半で登場する“隆暁法印”。

係りの方が声をかけ教えてくださったのですが、実在の人物で仁和寺のお坊さまだそうです。2年間にわたる飢饉で、多くの死者の額に「阿」の字を書いて結縁して、その数を数えられたそうです。
“阿の字を書いて結縁”ということをして周られた方が実在されたその事実に、ジブリの物語とはまた別の部分で心に響くものがありました。また、そのことがジブリの映画と繋がりまた深さを感じるのではないかと思いました。

映画「定家と長明」は観ることができるでしょうか?

展示の最後に“映画化お願いの署名”がありました。その署名は“宮崎吾朗さん”が講座に来られた時に渡されるそうです。

鴨長明が住んだ方丈の庵(河合神社・復元展示)

スタジオジブリで「定家と長明」のことが書かれた記事

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京都の行事(イベント)『『方丈記』800年 「鴨長明方丈と賀茂御祖神社式年遷宮資料展」と「『定家と長明』展 スタジオジブ…

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