お寺・神社・博物館・美術館にて【法輪堂の拝観日記】

兵庫県立美術館 「美しき挑発 レンピッカ展-本能に生きた伝説の画家-」

【美しき挑発 レンピッカ展-本能に生きた伝説の画家-】
を観に兵庫県立美術館に行って来ました。

ギャラリー棟での展示ですので、
立て看板の矢印に従って進んでいくと
チケット売り場があり
横のエレベーターに乗ってあがります。

レンピッカ展 チケット売り場

1920~30年代にかけてヨーロッパを席巻した
アール・デコを代表する女性画家
タマラ・ド・レンピッカ(1898年~1980年)。

一度にまとまった点数を見ることは極めて困難な
レンピッカの作品 約90点を一堂に展示されています。

しっかりした色合いと、ラインで描かれた
モダンな肖像画の数々。

レンピッカは、18歳の時に最初の結婚
娘 キゼットが誕生。
ロシアからパリに亡命し、
肖像画などを描き画家として活躍をします。

ファッション紙の表紙などや
重度の鬱病となった頃の宗教的な作品や
ルネサンスの巨匠の作品を下敷きにした絵もあります。

レンピッカは、彼女の遺志により
遺灰を活火山ポポカテペトル山の
河口付近に撒かれたのだそうです。

彼女の生涯を追いながら
進行するような展示で
レシピッカ展は、
彼女の等身大以上(?)のパネル写真より始まり
彼女の動く姿のフィルムで終わります。

兵庫県立美術館 入口

「女性がコルセットから解放された時代」とも言われる時代を
レンピッカは、まだ珍しかった自動車を運転するなど
流行の先端を生きました。

展示の初め部分の作品では、
モデルのどの女性も見上げるような強い視線で
とても女性らしい現代にも通じるセンスの良い服装です。
多くは、洋服が身体をピッタリと包んで
裸体がわかるように描かれていたりします。

また、展示の名前にもなっているとおり 挑発的なポーズも多かったです。

ただ、感想としては
レンピッカを取り上げているワードを通して見ると
自由奔放な颯爽とした強さに気をとられるように思いますが、

ワードと離れて見てみると
ただの女性らしさや強さではなく
女性のもつ本来の魂の気高さが
強く表現されているように思いました。

モデルがそのような人だったのかもしれません。
レンピッカが、そのような人だったのかもしれません。
レンピッカの憧れなのかもしれません。

しかし、女性の美しさとは

「このレンピッカの絵に見る
本来の魂の気高さなのかもしれない。」

と作品を観ていて感じました。

レンピッカ展 案内板

娘 キゼットは、よく絵のモデルとなっており
幼い頃の「熊のぬいぐるみを持った少女」

思春期の「ピンクの服を着たキゼット」

白い装いに包まれた洗礼を受けた時の
「初めて聖体を拝領する少女」
国際美術展で受賞した作品で、
パリ国立近代美術館に寄贈するまで
レンピッカは手元に置いていたそうです。

そして、今回のレンピッカ展のチラシ等に使われている
「緑の服の女」
リュクサンブール美術館のために
フランセ政府が購入を決定したという作品です。

「アール・デコの女性像の代名詞といえるこの名作は
世界中の主要美術館で展示された。」
という説明書きがあります。

レンピッカが、女性の尊さを
見つめているように思えたのは、
とても綺麗にお化粧して髪を整え
イヤリングをしている女性が
授乳をしている姿を描いた「母性」


時代により世界情勢も変わるのと同時に
亡命などを経験したレンピッカ。
地味な装いで頬はこけ、疲れ果て
身を寄せ合う「難民」
涙を流す「修道院長」
服や髪は乱れ、目を赤めた赤ちゃんを抱える「逃亡」
といった絵もあり、見えない先に身を置いている
心情が伝わってくるようでした。


静物画もあり、なかでも
真っ暗な背景に、陶器の白い器に
洋ナシ・オレンジ・レモンと
マスカットのような葡萄が外に垂れている
「果物の皿Ⅰ」。

果物に光があたっており、みずみずしさを感じます。
果物の左横下に、
「LEMPICA.
1049. 」
と書かれた紙がピンで絵に留められているような
署名となっているのも、お洒落な感じになってます。

レンピッカ展 缶キャンディー

これは、グッズの缶のキャンディーです。

兵庫県立美術館 - HYOGO PREFECTURAL MUSEUM OF ART artm 芸術の館 神戸

安藤忠雄建築の建物で現代アートや芸術に触れられる美術館です。…

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