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京都仏師工房訪問記(3)

京都仏師工房訪問記(3)
ー 素晴らしい作品の根源 ー

これは、何だと思われますか?

【砥石】です。
砥石は、刃物を砥ぎ、切りやすく又削りやすくするものです。

仏師先生が主によく使われているものを見させていただきました。

切削工具も大事ですが、それと同じかそれ以上にこだわっておられるものです。

【天然のもの】です。

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特に気に入っておられるものは京都の鳴滝産の砥石だそうです。良い物を見つければすぐに欲しいと思われるとの事。

いくら良い刃物でも、砥(とぎ)がだめなら使い物になりません。ゆえに一番こだわるものであるという事が私は、よくわかりました。

特にお持ちのような天然の砥石は、微生物が何百万以上もの時を経て生成されたいわゆる化石のようなもので手にとって近くで見せてもらうと地層のような模様が見て取れました。

黒っぽいもの、赤っぽいもの、少し青っぽいもの、様々です。

DSC00015-s.jpg

深いです...。

素晴らしい仏像は太古の昔より気の遠くなるような時を経て、自然の力で作られたこの砥石の力をうけ生まれるなんて考えるだけで私にとっては、感動で胸いっぱいになっていました。

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いろいろと思いをめぐらせているとおもむろに仏師先生が砥ぎの実演をして下さいました。

水をつけ、砥石の小さい塊を下の平らな砥石に回すように擦り付けられています。

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愛用の小刀を出されて、当たり前ですが手馴れた動作で「シュッ、シュッ」 と小気味の良い音を立てながら砥がれていきます。

このまま、時間が止まればと言うような至福の時でした。

記事のつづき

京都仏師工房訪問記(4)ー ほとけを生み出す"手" ー 私がお話を色々お聞きしている後ろでは、黙々とお弟子さんが作業をされておられました。 全国様々な場所からいろんな経緯を経て、またご縁があり、仏師先生[…]

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※ 見学させて頂いた工房名・所在地・お名前などについて
一切お答えは出来ません。

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