【歴史が作られる道具】

【歴史が作られる道具】
【主工房の作業場】に入りました。
いつも座っておられる
仏師先生の製作作業位置の前に
座らさせていただき
お話をお聞きする形になりました。


あらゆる形の【小刀】です。
製作の過程であらゆる場面でそれぞれのアクションでつかわれる
切削の工具です。
この様々な形の小刀により
形が整えられ
滑らかな曲線などや
くぼみ等の強弱が表現されていくのです。
実は、今回の取材者こと【法輪堂.com】店主は、
前職では、こういった工具を扱うような
仕事をしておりましたので
(といっても仏像製作が出来るような職人的な腕は、もっておりません)
工具については非常に興味がありました。

こちらの【鑿(のみ)】は、大まかに形を作るために
金槌や木槌で叩いて剥いでいく切削工具です。
こちらを使っている場面は見ることが出来ませんでしたが
想像するだけでそのダイナミックな動きが
頭に浮かび少し興奮を覚えました。


特に良くいつもお使いの愛用の小刀を見せていただきました。
刃の部分を抜いて見せていただきました。
勿論同じような形の小刀は、何本もお持ちですが
やはり、しっくりくるものが決まって来るそうです。
右上の画像を見ていただきたいのですが
上から二番目の一番短い刃が良くお使いのものです。
一番古くから使っておられるので、それだけ
研ぐ回数も多く、刃が短くなっていくのだということです。
しかし、お話では、
「おそらくこちらの刃も使い切ることはないだろう」と
おっしゃってました。
つまり、刃物は一生ものとして使うことが出来るということです。
勿論、すぐに刃こぼれがしたり、折れてしまうようなものでは
そうはいきませんが...。

これは、私の手です。
その愛用の小刀を持たせていただきました。
感動で手が震える瞬間です。
私には、刀で例えると
名刀と呼ばれている
本物の村正や備前長船を持っている気分でした。
※ 見学させて頂いた工房名・所在地・お名前などについて
一切お答えは出来ません。
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– 2005年11月13日 –