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京都仏師工房訪問記(1)

京都仏師工房訪問記(1)
ー 心地よい緊張の中で ー

碁盤の目のようになった京の町。

京の人に言わせば、「縦と横を座標軸のように考えれば大体、住所を聞いただけでそこまで行き着くことが出来る」(上がる、下がるという表現)そうですが、他府県から来た人にとっては、まるで迷路のような感覚を覚えます。

まさに京都らしいと思われる町並みの中に“仏師工房”は、ありました。

お伺いして最初に玄関から中におじゃまさせていただいた瞬間、木のいい香りがして、神聖な雰囲気に包まれました。と同時に、某有名本山御用達仏師の証の木の看板が目に入りました。

そして、二階の工房へお招きいただいたのでした。

仏師先生は、先客とお話をされておられましたので、お弟子さんに誘導されて横の彩色や切金の作業をするお部屋で待つことになりました。

作業中のものが所狭しとおかれており、後でお聞きしたところ全国様々な場所から“修復依頼をお受けになられた仏像”や“新しく製作される仏像”まであるとの事。

いろんなお仏像を食い入る様に見ている内に先客の対応を終えられた仏師先生が、来られました。

いつかお会いしたいと夢にまで見た先生でした。

かなり緊張していまい頭が真っ白になって自己紹介も早々にいきなりの質問をいろいろさせていただきました。にもかかわらず、終始やさしくお答えいただいた。先生には、感謝です。

saisikikouhai1.jpg

製作途中のこちらの作品はすべてはお見せ出来ませんが、製作依頼された世界に一つしかない美しい素晴らしい【如来様】でした。

見ていただければお分かりだと思いますが、“岩絵の具の美しさ”はなんとも言えない和の色彩で、やさしい御仏の世界が映し出されていました。

saisikihasu1.jpg

連弁連弁部分の【翡翠の粒(深緑の粒)】などは、特別にお探しになられて一つ一つ形の良いものを選び取り付けられていくそうです。

あたりまえですが、手間のかけよう、こだわり、根気すべてが違うと感じました。

こちらの美しい如来様の説明をお聞きしている時に不思議と後ろから何か感じるものがあり、(床の間のような空間でしたが)お話の区切りがついた時に後ろを見た瞬間「あっ」と少し声をあげてしまいました。

眼に入ったのは...。

kamakurajizou-s.jpg

大きな木製の【お地蔵様】でした。

横たわっておられ、優しいまなざしでこちらへ会釈でもされているような穏やかなお顔をむけられていたのでした。

kamakurajizou2.jpg

残念ながら、お顔などお見せ出来ませんが、また美しく生まれ変わるのを楽しみに待っておられる様な表情をされておりました。

どのようなお地蔵様のお姿になられるのでしょうか。

年代は正確なことは言えませんが豊臣秀吉の時代より以前らしいです。

そうしているうちに、実際の工房の方へ来るように促され見せていただきました。

【御仏が新しく生み出され】また【古きものが美しくよみがえる】現場へと踏み出していったのでした。

記事のつづき

京都仏師工房訪問記(2)ー 歴史が作られる道具 ー 【主工房の作業場】に入りました。 いつも座っておられる仏師先生の製作作業位置の前に座らさせていただき、お話をお聞きする形になりました。 […]

仏師2記事アイキャッチ画像

※ 見学させて頂いた工房名・所在地・お名前などについて
お答えは出来ません。

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– 2005年11月13日 –