法輪堂 拝観日記

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2017年6月30日

京都国立近代美術館『技を極める』ヴァン クリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸 展

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京都国立近代美術館の『技を極める』ヴァン クリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸 展に行って来ました。

フランスの宝石ジュエリーの高級ブランド、ヴァン クリーフ&アーペルの作品と日本の伝統工芸作品の数々の饗宴です!技を極めると聞けば工芸の技。けれどハイジュエリーがどのようにと想像できないまま行ってまいりました。

『技を極める』
ヴァン クリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸


2017年4月29日(土・祝)~8月6日(日
京都国立近代美術館

1200年以上昔から都として栄えた京都には、衣食住に関連する最高級なものが生み出されてきました。またフランスを代表するハイジュエリーメゾンのヴァン クリーフ&アーペル。熟練した職人が一子相伝のように技を伝えています。

ヴァン クリーフ&アーペルの秀逸な作品が伝える「技」と、長い歴史の中で生まれた七宝や陶芸、金工などの日本工芸の技の対比や結びつきを紹介。

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1 ヴァン クリーフ&アーペルの歴史
2 技を極める
3 文化の融合と未来



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【並河靖之《四季花鳥図名刺入》(部分)明治時代】
【並河靖之《蝶に花丸唐草文飾壺》(部分)明治時代】
【フューシャ クリップ 1968年】

さすが国立美術館だなと思うのですが、チラシにもなっているこちらの看板。3作品の名前があります。今回の展示内容を日本とフランスの技の融合を現したかのような3作品の入った素晴らしいデザイン(?)です!


1 ヴァン クリーフ&アーペルの歴史

1906年のヴァン クリーフ&アーペル創立から現代に至るまでの1世紀にわたる歴史的展開。デザインや製作技術の変遷が見られる約80点の作品を展示。



数珠の珠はありますが、ジュエリーとは縁遠く...何の知識もありません。 展示室に入るとジュエリーショップのように展示ケースが並び、観る人もじっくりみて並ぶ行列。 音声ガイドからアルハンブラの説明で「グレース・ケリー」という言葉が!グレース・ケリーが愛用されたという説明があり《アルハンブラ ロングネックレス》1973年。王女や鳥のモチーフの可愛く素晴らしいブローチで、その質と繊細な技に感動したり親近感がわいてきました。カバンの開け閉めするジッパーの形のネックレス《ジップ ネックレス》1954年遊び心にふれるようで見るのが楽しくなってきました。


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左:【正阿弥勝義《蓮葉に蛙皿》(金工)明治時代】
真ん中:【《インド風ネックレス》 1971年】
右:【 四代目長谷川美山《京都名所図透彫飾壺》(陶芸)明治-大正時代】


2 技を極める

日本では超絶技巧と呼ばれる作品があり、工芸と呼ばれます。

金襴を豊富に用いた装束や、漆に金で絵画的表現を施した蒔絵の作品、さらには陶芸や金属工芸など。ヴァン クリーフ&アーペルが作り出すハイジュエリーも、日本の工芸品と同じように珠玉のもの。

様々な素材を組み合わせ、技を極めた超絶技巧ともいえるハイジュエリー作品約100点。日本の超絶技巧の七宝や陶芸、漆芸、金工などの工芸作品約50点。



ここから西洋の人が旅行などで東洋美術に興味をもたれるようになった時代のものとなり【日本の工芸品】も展示となります。

目を惹いたのが【七代錦光山宗兵衛《花蝶図大鉢》(陶磁・色彩金彩) 明治-大正時代】。日本の工芸品に見えるもののモチーフに西洋のものが入っている。さぞ、海外で目を惹いたであろう繊細で雅な鉢でした。こんな素晴らしい技術ですが、戦争により数十年で終わりとなったとは大変残念に思いながら、次へと進みました。

【並河靖之《蝶に花丸唐草文飾壺》(七宝)明治時代】

牙彫・着色の柿や竹の子の形そのものの作品がいろいろありました。有線七宝など並ぶ中にリアルなそのものが展示されているので「おっ」とびっくりします。

【四代目長谷川美山《京都名所図透彫飾壺》(陶芸)明治-大正時代】

【正阿弥勝義《蓮葉に蛙皿》(金工)明治時代】

ジュエリーの展示では
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こんなバレリーナをモチーフにした数々も楽しいものでした。バレリーナをモチーフにした作品それぞれポーズが動きがありそれぞれの魅力を放っていました。逆にその作品をみたバレイの振付家がそれで舞台をつくったなど創造の世界の展開があったというおもしろさ。新たな挑戦は創作意欲を刺激するものなのでしょうか。観ていてもとてもウキウキしてきました。

【《ダンスーズ エスパニョール クリップ》 1941年】

【《フローティング リボン クリップ》 1937年】

映像コーナーがあり、ちょうど研磨職人さんの回をみました。きらめき輝くジュエリーとはちがって手や服が汚れるお仕事だけど、親子ともにこの仕事が好きだと話されていて素敵だと思いました。どちらかというとジュエリーはつける方よりも職人仕事の方が楽しく感じる方なのでこういう映像は最高です。

宝石を組み合わしてモチーフをしゃれた感じにデフォルメされたハイセンスなヴァン クリーフ&アーペルの貴金属に対し、日本の工芸品の超絶技巧による細かさとリアルな表現は恐ろしく素晴らしく。特に明治の職人の技術のレベルの高さに驚かされました。

日本の工芸品(焼き物、漆工芸、蒔絵、螺鈿、木工、彫金、象嵌などの作品)とフランスの工芸品がお互いに影響し合い高めあっていた事が分かり「工芸のすばらしさ」の魅力にはまっていきました。

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2章が終わると、明るい白い空間に!
フランスの職人さんの作業場でしょうか?撮影OKの休憩場所となっていて休憩したり、ジュエリーのパーツをはめ入れるゲームが。

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ジュエリーのパーツをはめ入れるタッチ画面のゲーム。

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3 文化の融合と未来

フランスのハイジュエリーの秀逸な作品と、日本の工芸作家の作品を組み合わせて展示することによって、フランスと日本の文化交流と融合の一端が見られ、未来への新しい視点が生まれてくるのではないかと考えます。

特別出品としてハイジュエリーと工芸のコラボレーション作品も展示。



四角い形に蓋部分に中央に菱形に宝石の小さい粒が敷き詰められ、周りが蒔絵の【服部峻昇《玉虫香合 桐文》(漆芸)2014年】もうそれぞれが楽しくてピックアップするのはキリがないのですが、天然の木の目を見事にそろえた整った線状の模様となった箱【中川清司《神代杉木画箱》(木、象嵌)平成】。輝ききらめく中に「あっ!いる。」と釘付けになった【《マキ(キツネザル)クリップ》(ゴールド、イエローサファイア、エメラルド、スピネル、ダイヤモンド))】。ふんわりした色のポイントで引き立っていた【《ぺロケ ミステリユー クリップ》(ゴールド、ミステリーセッティング サファイア、サファイア、スピネル、カルセドニー、ピンクオパール、オニキス、ダイヤモンド)】

音声ガイドで「こちらでは竹林を歩くように自由にご覧ください。」と流れ、ランダムに展示ケースがあるのを思うまま足の向くまま自由にまわれました。「教科書通りではない」とのお話が流れましたが正に思うまま、「こういうものをつくりたい。」という思いが出来上がった一点一点が自由に放たれた感があったと思います。それは、休憩スペースの設定や3章の陳列ケースの配列により、閲覧者もその自由の感覚が体験できる爽快感があったと思います。チラシ・看板デザインといい素晴らしい展示でした。

近年活躍中の職人が製作した和洋の融合による双方のコラボレーション的な作品のコントラストが次なるジュエリー&日本の工芸品の未来への可能性を示唆していた様に感じました。 本当に良いものは、きっと残っていくだろうけど、作り手の努力を報いるためには、我々販売者の役割は重要だと思います。いくら良い商品でも、内容をちゃんとエンドユーザー伝えて、理解してもらうということが無ければ、購入してもらうことはどんな商品でも困難。でも今回、見せていただいたブランド(ヴァン クリーフ&アーペル)は、そこを妥協していないように思う。我々の仏壇業界もこうあるべきだと思いました。


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【技を極める―ヴァン クリーフ&アーペル  ハイジュエリーと日本の工芸】 (京都国立近代美術館HP)

【技を極める―ヴァン クリーフ&アーペル  ハイジュエリーと日本の工芸】 (公式HP)



服部峻昇《玉虫香合 桐文》 服部峻昇《花に舞う》(木、漆、螺鈿)

投稿者 masahiro : 18:27

2017年6月 9日

秋篠寺の大元帥明王立像特別開扉に行って来ました。



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大元帥明王立像特別開扉の日。秋篠寺、来ました。

【秋篠寺】
光仁天皇の勅願により、780年(宝亀11)に善珠僧正を開基として建立された。法相・真言を兼学する道場で、明治以降、浄土宗西山派に属したが、現在は単立の宗教法人。


南 門

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苔の寺

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秋篠寺は"苔の寺"として有名らしく、門から境内に足を踏み入れると受付まで一帯が苔がじゅうたんで心落ち着く空間が広がりました。なんと、ここが金堂跡の苔庭なのだそうです。



開山堂

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【開山堂】
善珠僧正(ぜんじゅそうじょう)の開山堂。

本 堂(国宝)

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【本 堂】 鎌倉時代

愛染明王、帝釈天、不動明王、薬師如来、日光・月光菩薩、十二神将、地蔵菩薩、伎芸天、五大力菩薩

本尊
【薬師如来坐像】 
木造 像高139,0cm 鎌倉~室町時代 重文

【伎芸天立像】
頭部:脱活乾漆造 奈良~平安時代
体部:木造 鎌倉時代
像高205,6㎝ 重文

密教経典によると、
大自在天が天井で諸天女に囲まれて歌舞を楽しんでいると、突然、その神の生え際からこの伎芸天が生まれてきた、とある。


堂内は土間で暗めですが、一列に安置されている像を見た瞬間から暗さなど感じません。中央が本尊の薬師如来像で両脇が日光・月光菩薩。その両脇に十二神将など。少し離れた両脇に五大明王、愛染明王だったかな。なんと言っても薬師如来像です。木目がとても美しくて、台座が裳懸座。光背が彫りで梵字が入っていたのがツボでした。秋篠寺の有名と言えば、技芸天。どうしてこんな表情なのでしょう。優雅さと、しなやかさと、やさしさ。向かって右ナナメから見る角度が最高でした!

大元堂

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【大元堂】
大元帥明王(たいげんみょうおう)立像を安置する。

【大元帥明王】
木造 像高229,5㎝ 鎌倉時代 重文
鎮護国家の秘法である大元法の本尊。
6本の腕をもつ巨大な立像。
髪を逆立てた忿怒の形相をし、筋肉を隆々と盛り上げた首や腕などに蛇を巻きつけている。
大元堂に秘仏として安置されており、毎年6月6日に開扉される。

大元帥明王立像は、思ったより大きくて太股部分には彩色が少し残っていました。右側には小さめの座っておられる阿弥陀如来坐像でなぜだかジワーときました。左側には周りが鳳凰の彫りで囲まれた場所に不動明王像などが安置されていました。堂内の幢幡には南無阿弥陀仏と書かれていました。

香水閣(こうずいかく)

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【香水井】 別名、大元帥井(だいげんのい)
平安時代の初め、真言宗の僧常暁(じょうぎょう)が、秋篠寺の井戸で長大な忿怒の形姿が水底に映るのをみた。奇異に思った常暁は、その姿を図絵に描いてもっていた。入唐した常暁は、栖霊寺の文さんから大元帥明王の修法(大元法)を授けられた。ところが、その修法本尊をみると自らが所持する図絵の姿そのままであった。常暁は、大元法にかかわる儀軌・曼荼羅・諸尊像を書写して、日本に持ち帰った。大元法は、おもに鎮護国家と宝寿(天皇の生命)無窮を祈る修法で、御七日御修法に準ずる大法とされた。修法の香水加持の水は、秋篠寺の井戸(香水井)から汲むことが恒例であった。



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門が開いていて人が見えるので奥へと行ってみると、持ってきた容器に井戸の水を汲んでおられました。「容器は持ってきていないから残念。」と思っていると、お湯のみに水を汲んでくださり、井戸の水をいただけました。

東 門

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投稿者 masahiro : 16:33





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