法輪堂 拝観日記

『鳥獣戯画と高山寺』展 京都国立博物館

修理完成記念
国宝 鳥獣戯画と高山寺

2014(平成26)年10月7日(火)~11月24日(月・休)
京都国立博物館

マンガのルーツと見なされ世界的に知られている国宝「鳥獣人物戯画」四巻は、
平成21年(2009)から平成25年(2013)3月をもって無事修理が完了しました。
修理後の国宝「鳥獣人物戯画」四巻を初めてお披露目し、合わせて明恵上人
ゆかりの高山寺に伝わる名宝の数々を公開するものです。

「国宝 鳥獣戯画と高山寺」に行って来ました。
1回目は待ち時間がかなりの状況だったので入り口で断念。
2回目に朝一番に間に合うように出かけました。しかし、外の
歩道まで行列が長く続いていました。すごい人気です。
展示は前期と後期に分かれていて、前期は明恵上人の展示が豪華と聞き前期に行って来ました。

鳥獣戯画と高山寺

第1章 高山寺の開創 -華厳興隆の道場-

高山寺の創建は、奈良時代。
後鳥羽上皇の院宣により、華厳宗の興隆のため明恵上人に寺域を与えられる。明恵上人が華厳・真言の二宗を学んだことにより、「厳密」といわれる独特の教学が確立。栄西禅師が宋から持ち帰った茶の実を栽培された「日本最古之茶園」」の碑がある。

鳥獣戯画と高山寺


【「日出先照高山之寺」額】 鎌倉時代
石水院南縁に掲げられている額。
寺号は、『華厳経』に由来する「日出先照高山之寺」 に基づいています。
後鳥羽院の宸翰と伝えられています。



【国宝 明恵上人像(樹上坐禅像)】 鎌倉時代
二股に分かれた一本の松に座って、坐禅をしている明恵上人。
木の横には脱いだ下駄があり、木の枝には数珠と香炉が掛けられリスや小鳥がいます。

「明恵上人像(樹上坐禅像)」は、坐禅をする明恵上人の周りの枝に香炉・数珠・リス・鳥がかかっているのを必死に確認しました。リス・鳥がいるというのが明恵上人らしさなのだろうなと思いました。香炉からは香を焚かれている煙が出ていました。

【重要文化財 明恵上人置文案】
明恵が入滅前、五人の弟子たちにたいして書きのこした置文を弟子が写したもの。
著しく荒廃していた高山寺を再興するところから記し最後に自らの滅後、各弟子たちが果たすべき役割を書いている。

第2章 明恵上人 -人と思想-

華厳密教の教義と実践法を確立し、釈迦を思慕し、天竺に思いを馳せた生涯。新羅の華厳僧、義と元暁を追慕した国宝「華厳宗祖師絵伝(華厳縁起)」の制作など文化的活動でも知られる。

鳥獣戯画と高山寺


【国宝 仏眼仏母像】
如来の心理を見通す
眼力を象徴し、諸仏の慈母である。
明恵は幼時に母を亡くしており、この画像を母と慕った。
また、明恵は24歳の時にこの像の前で右耳を切って求法の決意を新たにしている。



【重要文化財 輪宝羯磨蒔絵舎利厨子】
真言密教の仏舎利信仰を示す厨子。
舎利を象徴する宝石を水晶製の容器に納め精巧な舎利塔を円筒形の厨子に納めそれをさらに方形厨子に安置する。
円筒形厨子の内部は朱漆塗りで扉裏には蒔絵で五輪塔を描き、内壁には空海・愛染明王・如意輪観音・聖徳太子を描く。
方形厨子は三方の扉の裏に四天王と地蔵・龍樹菩薩、奥の内壁に釈迦三尊像を描く。



【重要文化財 夢記】
明恵は19歳から58歳までの40年間にわたり自ら見た夢を書き綴った。
二羽の金色の大孔雀王が夢に現れ2巻の経典を自らの手に入れ感動で涙を流した。
夢で見た廬舎那仏を絵画化して描いた。

夢に見た盧舎那仏が描かれているタッチが鳥獣戯画と似ているように思え、堅くなりすぎず親しめ、『夢記』と言われれば思い出すことができます。

【重要文化財 菩薩像(伝弥勒菩薩像)】
乗雲の持幡菩薩像は、敦煌発見の唐時代の幡に複数その例があり、引路菩薩と称され、死者を冥途へ引導する存在である。
明恵は弥勒菩薩の兜率天への上生信仰を持っており、臨終時には弥勒木像を本尊とし、鏡弥勒と称する厨子も伝わる。



【重要文化財 阿字螺鈿蒔絵月輪型厨子(鏡弥勒像)】
真言密教の阿字観では、月輪の中に蓮台の上の「阿」すなわち大日如来を表す梵字を思い描き、仏との一体化を目指す。その修法に関わる品。
表に阿字を描き、容器背面に五輪塔を表す。
内部に弥勒菩薩像を安置し、扉裏に三角形内の不動明王像と半月形内の降三世明王明王像を描いて弥勒曼荼羅を表す。
弥勒像の背後には鏡が嵌められているため鏡弥勒像とも呼ばれる。
銘文により、高野山の僧玄朝が母の供養のために造立したもの。

鏡弥勒像は、阿字・五輪塔が螺鈿となり光るので、輝いているように見え、また凝った造りになっているので惹きつけられました。

【重要文化財 文殊菩薩像】
獅子に坐す文殊菩薩。頭頂の五髻の上に春日五所(本社四殿よ若宮社)の本地仏が描かれており、春日若宮社本地仏としての文殊を表している。
本図は、明恵の春日明神信仰と生涯を通じた文殊信仰との産物。



【重要文化財 達磨宗六祖師像】
禅宗の初祖達磨、二祖慧可、三祖僧さん、四祖道信、五祖弘忍、六祖慧能を向って右上部から下方に向かって千鳥に順序通り配している。
明恵は南宋の華厳教学を学んだが、中国では華厳宗と禅宗とは密接な関係があった。
高山寺の教学的背景と合致している。



【重要文化財 白光神立像】
白光神は天竺雪山の神で、禅法擁護の神として勧請された。
作者は明恵と親交のあった湛慶とみられる。



【春日・住吉大明神像】

第3章 高山寺の典籍 -写本・版本の収蔵-

華厳関係の経典や注釈書を中心に、縁起・伝記・記録類など9293点が「高山寺典籍文書類」として重要文化財に指定されており、明恵上人自筆本ほか、弟子たちの筆写本などが含まれます。

鳥獣戯画と高山寺


【国宝 冥報記】
仏教の因果応報の道理を実際の出来事を例にとって明らかにしようとした仏教説話集。唐時代初期に吏部尚書を務めた唐臨が撰述したもの。書写年代は唐時代7世紀から8世紀初期とみられる現存最古の写本。『今昔物語集』に大きな影響を与えたことで知られる。

第4章 鳥獣人物戯画 -楽しさあふれる絵巻-

平安時代後期に成立したとされる甲巻・乙巻、鎌倉時代の丙巻・丁巻の全四巻からなる。墨線のみで描かれた白描画の絵巻で、遊び心にあふれた戯画の代表作。江戸時代以降、鳥羽僧正覚猷(かくゆう)(1053~1140)の作と伝えられるなど諸説あるが、いまだ作者は不明であり、高山寺に伝わった由来も定かではない。

鳥獣戯画と高山寺

【国宝 鳥獣人物戯画 甲巻】 平安時代
動物たちが遊び戯れる様子を擬人化した甲巻。登場する兎(うさぎ)や猿、蛙(かえる)の人間のようなしぐさからは、かれらの話し声まで聞こえてくるよう。まさにファンタジーの世界、現代の漫画の原点といえる。ウサギ、サル、カエルなど擬人化された動物たちによる、水遊び、射的、法会など様々な場面が描かれる。 「鳥獣人物戯画」でもっとも有名な一巻。

前期で登場したのがウサギ・蛙・キツネ。
蓮の葉を的に、ウサギと蛙が弓矢で狙っています。


【国宝 鳥獣人物戯画 乙巻】 平安時代
空想の動物を含む馬や牛、鳥などを描いた動物図鑑のような乙巻。身近な動物から、麒麟(きりん)や龍、獏(ばく)などの想像上の霊獣が自然の景観の中に次々と現れ、物語のように展開。

前期で登場したのは、龍・獅子・象。



【国宝 鳥獣人物戯画 丙巻】 鎌倉時代
前半には人々が色々な勝負事をしている場面が、後半には擬人化された動物たちが活躍する場面が描かれる丙巻。 もとは表裏に描かれていたことが今回の修理で分かった。



【国宝 鳥獣人物戯画 丁巻】 鎌倉時代
簡略な筆遣いで、僧侶、貴賤、老若男女、 様々な人たちが法会などの仏事や騎射などの技くらべに熱中するなど貴賤僧俗の様子を描かれている丁巻。



【重要文化財 子犬】 鎌倉時代 
寺伝では快慶作。動物を愛したと伝えられる明恵上人。明恵上人の墓の傍らに造営された禅堂の中に明恵上人坐像を安置する厨子の脇に遺愛の茶釜とともに置かれた子犬の木彫像。



【重要文化財 神鹿】 鎌倉時代
雄雌一対の鹿の像。明恵上人が春日大社に詣でたときに、鹿が脚を屈して一面に臥したといわれていることから、上人ゆかりの神鹿とみられる。湛慶。

鳥獣戯画の入ったガラスケースを一列になって順番に観ていく形式になっているので、第4章まえの場所で行列になって待ちました。最後の部屋で「子犬」など明恵上人ゆかりのもので動物を愛するというのが感じられました。

図録では、鳥獣戯画4巻すべてが見られる絵巻の豆本と、動画を楽しめます。
動画は、アプリで図録にあるマーカーを読み込み楽しめます。

鳥獣戯画と高山寺 鳥獣戯画と高山寺

並び待ちましたが、待ったことが吹っ飛ぶくらいに実物を観ることができて良かったです!鳥獣人物戯画はそれだけ心を揺さぶるものがあるものでした。











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