法輪堂 拝観日記

2009 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展

『2009 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展』

  開催日時 : 2009年8月22日(土)~9月27日(日)
  西宮市大谷記念美術館

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イタリア・ボローニャ国際絵本原画展は、
イタリア北部の古都ボローニャ市で毎年開催されている、世界で唯一の
子どもの本専門の国際見本市、ボローニャ児童図書展に併設された
絵本原画のコンクール展入選作品で構成されています。

5点1組にしたイラストを応募すれば誰でも審査を受けられる公募展で、
すでに絵本として発表された作品も、未発表のものも全て平等に扱われます。

今年は61ヶ国2714名が応募、その中から日本人18名を含む
20ヶ国81名の作家が入選しました。

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2009 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展3.jpg

西宮市大谷記念美術館に入ると、
前にはガラス越しに日本庭園が広がっていました。


どの作品も1枚の絵から、その物語の世界に一瞬で引き込まれるような
物語が伝わってくる作品の数々でした。

どの作品も、1本のラインも誤魔化しのないかのような
これ以上の変えようのないかのような
最終的な絵になっているように見えましたので
きっとこの今眼にしている絵に至るまでに
かなりの枚数の下絵や見送られた絵があったのだろうと思いました。

2009 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展4.jpg

その中でも一番親しみをもてた作品は
「スイカを運びながら」カンタン・グルバン(ベルギー)でした。
物語の国はインドでしょうか。
男の子がメス牛に乗り、スイカを運んでいます。
蛇使いの男性が笛を吹いている曲がり角に近づいて来ました。
メス牛はくたびれて座り込んでしまいました。
象に乗った男性と、スイカと象を交換しました。
男の子は、象にメス牛も残りのスイカも乗せました。
メス牛が座り込んだのを見て、男の子の心情が伝わってきたように思います。

カラーが緑の世界で貼り絵などで可愛い童話の世界に誘われた
「くまさんと会ったくまさん」森内未来(イギリス)

日本昔話などの絵本で見るような絵のタッチに一見見えるようでいて
とても新鮮な感じを受けた
「きつねの涙」海一慶子(日本)

リアルなチンパンジーなどが子どもらしい動きをしているのに対し
背景の何もない空間とのバランスが素晴らしかった
「モンスター」ヨナス・ラウシュトローヤー(ドイツ)

どうも登場人物も国も中国のように見えるのですが
ロシアの方が書かれたということと、
どんなお話なのだろうととても興味を持った
「年獣」イーゴリ・オレイニコフ(ロシア)

もっこりした体型の可愛らしいキャラクターが
ほわほわしたタッチで描かれている
「夢売り人」フランチェスカ・マルコッツィ(イタリア)

などなど、1人5枚で描かれた世界なのに
作品ごとにその世界に引き込まれる魅力的な作品ばかりでした。

展示が終わった後には、「絵本の部屋」があり
展示された原画が絵本となったものが見ることができます。
こちらでは、小さいお子さんがお母さんなどに
絵本を読んで貰っている姿が多く見られました。

その横には、絵本を購入する事が出来ます。
こちらでは観覧後の皆さんが立ち寄られて
数冊の絵本を手にしておられる姿が多く見られました。
それだけ絵本の世界の魅力に魅せられた内容の濃い展示だったのだと思います。



受賞者や審査員の人のインタビュー映像も流れていましたが、
何度もこのコンクールに応募してきたけれど入選できずきたので
今回で最後にしようとして応募して入選した
という受賞者のインタビューもありました。

審査員のインタビューでは、
物語があり、絵があるのだけれども
「物語以上に物語性のあるものを選んだ」とのことでした。

受賞作品は、文字の説明がなく絵だけで物語がわかるような絵の数々でした。

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入り口近くに出迎えてくれる「くつやのねこ」 今井彩乃(日本)

最後に入り口近くの部屋で、2008年国際アンデルセン賞画家賞を受賞した
イタリアのイラストレーター、ロベルト・インノチェンティの原画46点の
特別展示がありました。

これは本当に素晴らしい作品の数々でした。
映画の1シーンを見ているかのような絵も多く、
大勢の人物が描かれていても
それぞれが意思を持って思い思いの事をしており息づいている中で
その一人として存在するのが主人公であっても
主題とされるところは物語られているのが伝わる絵でした。

素晴らしい絵の数々でしたので、
お話の興味を持ったボローニャ・ラガッツィ賞特別賞作品
 絵本『ラスト・リゾート』をお土産にしました。

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 ■ 西宮市大谷記念美術館 公式サイト ≫

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