法輪堂 拝観日記

第六十回 正倉院展

「正倉院展」の券を頂きましたので

奈良国立博物館へ出掛けました。

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 第60回正倉院展の看板 (写真 上) 

唐からの請来品と考えられている   「平螺鈿背八角鏡」  (左)
イランで製作されたと推定されている 「白瑠璃碗」      (右)
木画細工が素晴らしい          「紫檀木画双六局」  (手前)
の写真から出来ています。



 初めての正倉院展 

正倉院展を見せて頂くのは、今回が初めてでした。

博物館に近づくと

平日であるにもかかわらず

今まで博物館で見た事がないほどの行列となっていました。

最後尾は・・・

まだまだ人の列は続きます。

博物館から列が離れていく場所は、

テントが張られています。

雨でも、日光でも待ち時間は助かりそうです。

右に、コインロッカー

奈良のおいしいもの販売・飲食コーナーがあります。


「いやいや、今はまず最後尾を確認。」


人の列の途中ぐらいでは、
目録のワゴン販売もありました。
待ち時間で予習出来ます。

ようやく、最後尾が見えました。
看板には「60分待ち」となっていました。

入館してからも
展示物のショーケースの前には
混雑していてなかなか見えませんでした。
しかし、折角の機会ですので見せて頂きたいので
他の方の邪魔にならないように気をつけつつ
見るコツを見つけたので見せて頂けました。

今まであまり見た事のないような技術が高く
上品な仕上がりで国際的でもあり
「こんなに物や新しい技術を生み出す力があるんだ」
と思う宝物の数々で感銘しました。




正倉院展のチケットは
「入場の列に並ぶ前に、
チケットをご用意ください」と係りの方が
案内しておられました。


 正倉院展の混雑状況は 

奈良国立博物館のホームページの
「第60回 正倉院展」のページから
昨年の状況から作成された曜日毎の時間帯別混雑状況が
確認出来るページがあります。

更に詳しい最新の混雑状況が
<天平の煌めき>と検索頂ければ、
「混雑状況」の欄で更新されていますので確認できます。

第六十回 正倉院展2.jpg

 第60回正倉院展のチラシ 

唐からの請来品と考えられている「平螺鈿背八角鏡」
イランで製作されたと推定されている「白瑠璃碗」
木画細工が素晴らしい「紫檀木画双六局」
の写真から出来ています。
正倉院展の字は、双六局の文様が愛らしく飾られています。


 今年の正倉院展は 

展示の構成は、光明皇后によって大仏に献納された
聖武天皇遺愛の宝物や佩飾品など、皇族・貴族たちの献納品、
天蓋など仏具、飲食器、文書、経典となっています。
第1回の正倉院展で展示された宝物の展示もあり
69件の宝物のうち19件が初出陳です。

仏具では、天蓋の関連品や
金銅鎮鐸や幡が出陳されています。

今年注目されるのは
第1回展に展示された品が多く出品されていることです。

戦時中、空襲をさけるために奈良国立博物館に避難してあった宝物を
終戦の翌年に元に戻る際に
「その前に一目見たい」という人々の声に応えることになり
開催が決まったのだそうです。

第六十回 正倉院展3.jpg

唐からの請来品と考えられている   「平螺鈿背八角鏡」  (左)
イランで製作されたと推定されている 「白瑠璃碗」      (右)
木画細工が素晴らしい          「紫檀木画双六局」  (手前)
の写真から出来ています。



 正倉院展の展示品の感想 


〔全浅香〕    長105,5cm

沈香のうち樹脂の沈着の程度が低いもので
現在の重量は16,65kg。
2割ほど削られています。
黄熟香(蘭奢待)とともに、「両種の御香」と呼ばれています。

大人が手を廻した位の太さで存在感がドーンとあり、
結構大きいと思いました。
削り痕がわかりますが、申し訳なく思っているかのように
少し少し削ったようで如何に貴重であるかを感じました。
180度見る事が出来るショーケースでの展示で
距離は近くで見えますが、香りは残念ながら無理です。
どんな香りなんでしょうか。


〔平螺鈿背八角鏡〕

『国家珍宝帳』記載品で、唐からの請来品と考えられています。
白銅製八花形の鏡で、背面に彩色した琥珀の赤と
ヤコウガイの白い螺鈿の唐花文様から出来ています。

形と赤に目を惹き付けられ、
近づいてみると螺鈿の貝の輝きに夢中になると
線彫りされた模様があるのに気がつきました。


〔紫檀木画双六局〕

木画による装飾が施された双六盤です。
四隅等には、象牙の角貼が施され
盤の上面には、ツゲを用いた三日月型と花文
側面には、花唐草文・飛鳥・飛雲・鴨に乗って飛ぶ人物
が描かれています。

1つ1つの文様をよく見てみると
とても愛らしく、デザインのセンスの良さを感じます。
文様の色の選択も素晴らしいと思います。
技術もデザインも良さが上品に
ぎゅっと詰まっているように思いました。


〔紫皮裁文珠玉飾刺繍羅帯残欠〕

珠や刺繍で飾った絹製の帯です。
帯の周囲を組紐で縁取られており
小さいビーズの大きさの真珠・ガラス・水晶など連ねた垂飾。
大変お洒落なデザインだと思います。


〔夾纈絁袍残欠〕

この衣で特に注目される点は、
計画的な意匠配置の元で作られたことです。
が、大変感銘を受けたのは
音声ガイドによりますと
模様を抜いた板に布を挟み
文様を染められたということです。
染める技術の工夫に感服しました。


〔佐波理鋺・佐波理匙〕

佐波理は、よい音が出ると
仏具のお鈴や五鈷杵や錫杖などがあります。

展示でも、目録でも説明で
『佐波理は、叩くと非常によい音が出るため
「響銅」と表記されることもある』
とあります。
で、鋺や匙が何故佐波理だったのでしょうか。
佐波理であった理由の説明がなく謎のままです。


〔椰子実〕

椰子の実を、穴や凹凸を利用して人面にしてあります。
内部は黒漆のようなものを塗ってあるので
大きく丸く口を開いているようなユニークな可愛い顔です。
こちらのガラスケースの前では、見る人の頬が緩むようです。


〔虹龍〕  長23,0cm

ミイラ化した貂(テン)と鑑定されている小型動物の遺存体です。
体の上半身が骨が見えており、下半身が皮で覆われています。
その姿は、説明にあるように龍の姿を想像出来ます。

宝庫に侵入した貂が自然乾燥したものか、
現況に近いものを「龍」と認識して意図的に納入したのかは不明です。
この小龍がある故に、宝庫の開検時には毎回雨が降るといわれているそうです。




 正倉院展の感想 

独自の凝らした技術であったり
珍しいものであったり
面白味のあるものであったり
素晴らしい宝物も数々を見せて頂きました。

第1回展の際、敗戦の後の人々の心に希望を与え
「日本はすべてを失ったわけではない
日本には文化がある」と感じた方もあるといいます。
まさにその通り、力を与えられるような数々でした。

今まであまり見た事のない感じのものであり
技術が高いものであり
上品な仕上がりであり
国際的でもあり

「こんなに物や新しい技術を生み出す力があるんだ」
と力を貰えるようでした。
いいものを見せて頂きました。






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