法輪堂 拝観日記

「夢の馬」 観覧

奈良国立博物館で、4月5日(土)から6月1日(日)まで
『天馬 -シルクロードを翔る夢の馬-』展が開催されていました。

チケットを頂き、出掛ける機会に恵まれました。

夢の馬 観覧1.jpg

「天馬」と「シルクロード」。
どのような構成で展開されるのか予備知識なかっただけに
次の展示に足を動かすのが未知の世界の様で楽しみでした。

空を飛ぶ夢の馬である天馬。
ササン朝ペルシアにおいて天馬は、
神聖な動物の一つに数えられています。
紀元前1千年以上前に、西アジアで誕生し
シルクロードを通じ世界各地に伝わったと考えられています。
世界各地の天馬の展示となります。

夢の馬 観覧2.jpg

チケットの写真は、ペガサスでした。
頭の中には、ギリシャ神話で登場するペガサスで
いっぱいになっていました。
ところが、
展示会場に入ってまず目の中に飛び込んできたのが
「獅子グリフィン形飾金具」です。
頭・胴体・前脚は獅子で、鷲の翼があり、山羊の角を持っている
グリフィンの青銅製の形飾金具でした。
馬だけでなく、獅子、龍、麒麟などの展示により
その頃に生きた人々の想いなどが感じられるように思いました。

ペガサスの誕生は、
見るものを石に変えるという怪女メドゥーサの首を
ペルセウスが切り落とした瞬間、吹き出した血の中から
ペガサスが生まれたといいます。(ギリシャ神話より)
ペガサスは、英雄や戦いの勝利に登場し
陶器・装飾品にも描かれています。
力の強さへの憧れを感じるように思いました。

「ペガサス飾付きブローチ」は、
ペガサスがつき模様が刻まれています。
洋服にワンポイントとして付けた時、
小さいですが金の輝きとペガサスの姿が
大層映えて見えたのではないでしょうか。


アジアの章となります。
ペガサスや獅子を模様に織り込んだ錦
「四騎士獅子狩文錦」が並びます。
大変素晴らしいと思いました。
「羅地双有翼馬文刺繍裂」は、
絹製に金糸を使い飛馬、火焔宝珠、霊芝、
霊芝雲の刺繍が入っていて綺麗です。
「狩猟文六花形高脚杯」は、銀製で
大変繊細に彫り込まれていて美しいです。


東アジアの章となります。
ギリシャ神話のペガサスが力の象徴であったのに対して、
東洋の有翼馬は、人々の魂の安寧や救済にかかわる存在であったそうです。

「金銀象嵌筒形金具」は、馬車の傘蓋を着脱する金具。
有翼の聖獣などが描かれて、トルコ石が入っています。
細い筒状のものに、ぎっしりと手を掛けられていましたので
想いが込められているように感じました。

象牙が紅色に染められ、細い線により彫られた「紅牙撥鏤撥」。
彫られた所が白く、部分的にそこに緑が入れられ
色鮮やかで綺麗でした。

ここまでの展示を見て、
なるほど人が生活する上でも
常にパートナーとして共に生活をしてきたのは
馬であることを再認識しました。
颯爽と走るその姿には、人は魅了されます。
そして、昔戦いの多い時代には
強く早く優秀な馬を求められ憧れたのでしょう。
より強く、より早い馬をと望まれたのが
天馬なのかもしれないと思いました。

夢の馬 観覧3.jpg

最後の章 仏教と天馬になりました。
「仏教」と「天馬」。
この言葉がどう繋がるのか、興味津々でした。

「太陽神スーリヤは、七頭立ての馬車にのり、
暁の神サヴィトリは金色の馬にのって朝を導きます。
仏教に取り入れられたスーリヤは、
日天となって七頭立ての馬車にのっています。

天馬作品は、日本では飛鳥時代に流行がピークに迎えました。
しかし、平安時代に密教美術で天馬が登場しました。
飛鳥時代の天馬が文様としての役割が大きかったのに対し、
平安時代の天馬は仏像の台座や眷属として
仏に従属する霊獣である点が異なります。」

「ペガサス」・「シルクロード」・「天馬」・「仏教」
この言葉が繋がりに納得しました。

夢の馬 観覧4.jpg

池には鯉が泳ぎ、
向こうの庭にはつつじが綺麗に咲いていました。

夢の馬 観覧5.jpg

観覧した後に、お抹茶を頂きました。
気候もとても心地良い日でした。






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