法輪堂 拝観日記

液晶絵画

国立国際美術館
「液晶絵画」(4月29日~6月15日)を観てきました。

動く美術1.jpg

「スティル・ライフ」と「リトル・デス」が横に並び、
上映(?)されています。
お皿に盛られた桃のような果物、
そして横では壁にもたれ掛かるウサギの亡き骸。
カメラが固定され、月日が経っていく様子が映し出されます。
このように、ひとつの命がなくなった後に月日が経つと
どのようになっていくのか
ずっと見続け追い続ける機会は余りありません。
貴重な体験をした様に思いました。

ずっと進み、
次の展示されている区切りに足を踏み入れると
森村泰昌さんの「フェルメールの研究」の世界が広がっていました。
絵画を描いている途中のフェルメールの部屋を
立体的に舞台装置のように再現されています。
机の手前に何気なく置かれている額の中で
この部屋で作業を行うフェルメールが
動いている映像が映し出されています。
部屋に掛けられている絵もこの部屋の光景で、
部屋に迷い込んでいる感じになります。

「フェメール研究(振り向く絵画)」では、
本を声に出しているのであろう「真珠の耳飾りの少女」の映像です。
(「青いターバンの少女」が、元となっています。)
音が出る訳ではないのですが、
自分の世界に集中していた女性(作者が扮装)が
こちらに気がつくような流れで、
クスッと笑ってしまいそうになりました。

展示の区切りの中に足を踏み入れた途端、
"ギョッ"として複雑な気分になったのが、
「Yo Lo Vi」です。
暗い部屋の中、光が当たり、
奥の、前の、下の方に、何かがある。
「何があるの?」と見ようと、
前に行き覗き込むと
向こう向きでうつむき
裸で後ろ手に括られ、
頭は三角の大きな物を被せられている
人の姿です。
ゴヤの「異端審問裁判」です。
その人物が映し出されているスクリーン(?)に
「何?」と覗き込んだ私達観覧者が
併せて映し出され
一体になった絵となります。
その映し出されている私達の顔は、
偶然ですが
とても興味津々の顔になってしまっているのです。
「ああ、こういう事なのか」と
色々な事を思い浮かべ
非常に複雑な気持ちになりました。
作者の計算です。

動く美術2.jpg

平面的な絵画と違い、
作者の強い伝えようとする意図したものが
表現されているように思いました。

小学生を対象に、「こどもびじゅつあー」という
説明を受けながら見る事が出来る企画があったようです。
「学芸員によるギャラリー・トーク」が、
6月14日(土)に行われるようです。

説明を受けながら見せて頂ければ、
より理解を深められ楽しいだろうと思いました。






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