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上の画像で火を吹いているのが金属を溶かす炉である。約1300度の熱で溶かされた金属は、液体になっている。左画像でオレンジ色に見える容器の中に見えるのがそれだ。銅や錫などが混ざり合った合金で、創り上げるものの種類によって混ぜ具合や材料は様々。その熱気は、言葉ではあらわせないほどの独特の熱気。焚き火の熱のような生易しいものではなく、痛いぐらいの熱気で、時たま上がる煙は、吸った後、のどがひりひりする様な臭気だ。いわゆる亜鉛の煙でたくさんの量が体内に入ると中毒になると後に教えられた。そのため、こちらでは、この作業は、月に1、2回しか出来ないそうだ。したがって、失敗は許されず、手際よくきびきびと作業が行なわれていた。 |
私は、危険だということより、この貴重な現場に居合わすことが出来た喜びで一杯であったと思う。今を思えば、職人の方の妨げのなっていたかも知れない。こういった作業を一生の仕事としてこなす職人の覚悟は相当なものだと感じた。 |
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| これは、舎利容器である。本来は、お釈迦様のお舎利(お骨)を入れ、五重塔に安置納入したり、お寺の堂内の舎利塔などの中に奉安するものである。今回見せていただいたものは、そうお目にかかる事の出来ない貴重なもので、製作に膨大な時間を費やして創られているもので、まだ完成はしていない。どこにおさめられるかは、シークレットだ。下世話な話だが、価格などは想像も出来ない価格になるのではと感じた。 安置する以外に有名寺院などでは様々な使い方をされているそうである。社長からその中の一つをお聞きすることができた。 真ん中の大きい丸い所をパカッと開ける事が出来き沈香など香りのする香木を丸い玉に作ったものに穴を開けたものをこの中に入れ膝元に抱いて瞑想される時に使うという説明をしていただいた。 そういう使い方をするのは密教系寺院である。なるほどと聞きつつも奥の深さに感心するばかりであった。 瞑想される時、香りはどんな感じに伝わるものなのだろう?また、その場面を想像してみると、「なんと素敵な姿だろう」とわくわくするような感覚とともに思いをはせていた。 こんなすごいものをしかも製作途中に、実物を見せて頂いた社長に有り難く感謝をした。 |
| 彫金は様々な方法で行なわれる。左写真は、先がアイスピックの様な尖った工具で筋を付けている場面だ、これ以外にも万力に挟んで削ったりこすったりしながら仕上げていくのである。すべて手作業で法具が創られていく。時間がいくら合っても足りないだろう。本当に好きでないと出来ない仕事である。確かに密教法具は、ある意味造形的に美しいものが多く、美術芸術的な魅力があると同時に相当な体力も必要だ。”美術的な繊細な感性、知識、知性”と”肉体労働にも耐えられるタフさ”相反するものだが、密教法具にたずさわる人には、両方が必要だと思う。ということは、誰でも出来ることではない。ある意味選ばれた者が出来るのであろう。 |
| 今回、快く迎えていただいたばかりではなく、普段知りえない密教法具のお話を沢山しかも熱心に教えていただき恐縮した。HPの方で社長のお顔が拝見できるが、目に強い力を感じる方であった。社長も職人である。自分の手から良いものを創ることを追求しつつ、大学教授が聞きに来るぐらいの宗教学的知識。すなおに ”凄い” と思った。 最後に、お聞きした中で面白かった法具の知識を少し紹介する。 時代によって五鈷杵などの手道具は、鈷(両方の爪のような部分)のデザインが違っていた。特に顕著なのは、平安時代では、まっすぐ伸びていてすなおな表現がされていたのに対して、後の鎌倉時代には、デザインが洗練されてきて鈷の先が微妙な角度で曲がっていて角という名前がるけられている。 |
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| また、連珠紋(れんじゅもん)という珠が連なった模様が施されているのもこの鎌倉時代からだということである。 他にも金属の材料や混合比によって”四分一(しぶいち)”、”赤銅(しゃくどう)”という呼び方があり、見え方の美しさ や硬度の違いなどあるという話もあるが、それはまたの機会に...。 (レポート)稲田昌弘 |
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| HPでも今回の密教法具製作工房のレポートがまた違う角度から。 こちら→http://www.e-horindo.com/butugu/syokunin.html |
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